日大23年ぶりVへ1年生QB高橋が導く
「甲子園ボウル、日大‐関学大」(15日、甲子園)
西日本代表の関学大と対戦する東日本代表の日大が14日、会場で前日練習を公開した。1990年以来の大学日本一を目指す不死鳥軍団の攻撃の中心は、リーグ戦でMVPを獲得した1年生QB高橋遼平(19)=大産大付高。大舞台でも動じない若き司令塔が、フェニックスを頂点に導く。
1年生らしく、表情にはまだあどけなさが残る。しかし、ひとたびグラウンドに出れば、高橋はフェニックスの攻撃を引っ張る頼もしい司令塔に変身する。決戦直前になっても、「甲子園は憧れの舞台。緊張しているけど楽しみも多い。早く試合をしたいです」と堂々としたものだ。
入部当初は大学のレベルの高さを痛感したが、持ち前の研究熱心さですぐに頭角を現し、秋シーズンではレギュラーに定着。WR岩松が「肝が据わっている。プレーに迷いがない」と評する、思い切りのいいパスと的確な状況判断でリード。練習の前後に3時間かけてビデオを見る探求心、試合中は上級生にも要求を出すずぶとさでチームの軸となった。
シーズン当初は1年生QBに対する不安がなかったわけではないという。だが、OL岩井悠樹主将を中心に、下級生が実力を発揮しやすいような雰囲気をつくり勝ち進んできた。
今では岩井主将が、「高橋は何かを起こしてくれる。“コイツがおらんかったら”という存在になってくれた」と全幅の信頼を寄せるほどだ。内田正人監督(58)も「プレッシャーはあるでしょう。緊張してもいい。普通にやれ」と若いチームを送り出す。90年以来となる学生日本一へ、フェニックスが今よみがえる。