カーママ五輪決定 小笠原泣き崩れた

 「カーリング・ソチ冬季五輪世界最終予選、日本10-4ノルウェー」(15日、フュッセン)

 女子の五輪出場決定戦が行われ、日本の北海道銀行がノルウェーに10‐4で勝ち、2位で最後の10チーム目の枠を獲得した。女子の日本勢は5大会連続の五輪出場。北海道銀行が五輪代表になり、スキップの小笠原歩(35)、サードの船山弓枝(35)は2002年ソルトレークシティー大会、06年トリノ大会に続き、結婚、出産を経て3度目の出場となる。

 2人の“元祖カーリング娘”が母になり、再び大舞台への切符をつかんだ。北海道銀行を夢舞台へ導いたのは、ともに4歳の子どもを育てながら五輪を目指した35歳の小笠原と船山だった。

 1点リードされて迎えた第8エンド、苫米地、小野寺、船山の好ショットが決まり続け、赤いストーンが次々とハウスにたまった。最後に残った相手の石を小笠原がはじき出して一挙に6点を奪い、勝利を決定づけると会心のガッツポーズ。第9エンド終了後に、相手がギブアップを示す握手を求めてくると、小笠原は、思わずその場に泣き崩れた。

 「夢を追わない生活になって息苦しかった」。06年トリノ五輪後に第一線を退き、結婚、出産した小笠原は、3年前、バンクーバー五輪をテレビで観戦して復帰を決意した。炊事、洗濯をこなし、子どもの保育園の送り迎えを夫と分担しながら練習の時間を確保した。「しんどいけど、自分で決めたことだから手を抜いちゃ駄目」と全力で取り組んだ。

 競技に集中するために大会中は電話も我慢した。「氷に立つ以上、私は母である前に選手」。心を鬼にしながら、長男からの手紙を部屋に張り、家族の存在を励みにした。

 悲願のメダル獲得を狙う日本だが、五輪出場国のうち、世界ランクは下から2番目。厳しい戦いなのは間違いない。小笠原は「まだまだミスも多いし、現実を見ると1勝できるかどうか」と、表情を引き締めた。それでも強さとたくましさを増し、帰ってきた“カーリングママ”。母は強し‐を3度目の夢舞台で見せつける。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

スポーツ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(スポーツ)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス