沙保里、新設53キロ級への挑戦表明
国際レスリング連盟(FILA)は17日、2016年リオデジャネイロ五輪などで実施する新階級を発表した。女子で五輪と世界選手権を合わせて14大会連続世界一の吉田沙保里(31)=ALSOK=の55キロ級がなくなり、吉田は18日、新たな53キロ級に挑むことを表明した。来年1月から採用。女子は2階級増え、48、53、58、63、69、75キロ級の6階級になる。五輪3連覇の伊調馨(ALSOK)の63キロ級は存続した。
五輪3連覇中の吉田が、リオ五輪で自身の55キロ級が消滅することを受け、母校の至学館大(愛知県大府市)で会見した。慣れ親しんだ階級の消滅は「ショック」としながらも、「体重的には53キロ級がちょうどいい。自分にとっては、やりやすくなるのかな」と自信も見せた。
吉田はこれまで、基本的に56、57キロの体重を維持し、計量時に2キロほど減量して戦ってきた。一方、海外勢は5キロほどの減量をこなす選手も珍しくない。試合当日には体重を増やすため、単純なパワー勝負では不利になることも多かった。
栄和人監督(53)は「食生活でも、少し無理をして体重を増やしていた。階級変更はむしろ良かった」と歓迎する。吉田は「減量の苦しみも出てくると思う」と楽観はしていないが、「53キロ級で新しい記録をつくっていきたい」と前向きだ。
21日には全日本選手権が開幕し、吉田は55キロ級で出場する。「この階級は最後になると思う。しっかり勝ち切りたい」と意気込んだ。