仙台育英、花園20勝!矢富PG3本成功
「全国高校ラグビー・1回戦、仙台育英21‐12大分舞鶴」(27日、花園)
8試合が行われ、1回戦屈指の好カードは仙台育英(宮城)が21‐12で大分舞鶴(大分)を下し、花園通算20勝目を挙げた。前半4分、高校日本代表候補のFB矢富洋則(3年)が40メートルの先制PGを決めるなど、3本のPGを全て成功させた。仙台育英は30日の2回戦で優勝候補のAシード東海大仰星(大阪第1)と対戦する。
勝敗を分けたのはFB矢富の右足だった。両チームのトライ、ゴール数は同じ。背番号15が成功させた3本のPGが、そのまま9点差というスコアに表れた。
風上の前半4分だった。左中間40メートルの距離から迷わず右足を振り抜いた。チームに勢いをもたらす先制点。小学時代にサッカー経験のある矢富は「キック力には自信があった」と胸を張った。
キッカーを務めるのは今大会が初めて。11月に正キッカーのCTB今(2年)が膝の前十字靱帯を負傷したため、急きょ丹野監督から指名された。わずか1カ月の急仕上げながら「非凡なものがある」と指揮官も目を細めた。
兄の“後押し”もあった。トップリーグのヤマハでプレーする07年W杯日本代表の勇毅から、今月中旬に贈られたスパイクを試合で初めて着用した。1カ月遅れの誕生日プレゼント。「最後の花園だから楽しんでやれ」と声を掛けられた。
開幕試合に加え、後半途中には雷のため25分間中断するなどハプニングにも打ち勝った。2回戦は優勝候補の東海大仰星と激突する。「臆せずやれば可能性はある」と矢富。狙うはAシード撃破だ。