野村「メドは半年」進退7月にも決断
柔道男子60キロ級で五輪3大会連続金メダルを獲得した野村忠宏(39)が10日、大阪市内で所属するミキハウスの新春祝賀会に出席し、進退の決断を半年以内に下すことを明かした。昨年8月に右肩の腱を断裂し11月に手術。8月末の全日本実業個人選手権で復帰できなければ、現役引退する覚悟だ。
柔道五輪3連覇の偉業を持つ野村が、今年は進退をかけた1年となる。所属先の新春祝賀会に参加し「メドは半年くらい」と、7月中にも去就を決断する意向を明かした。
昨年は3月の国際大会で約1年半ぶりに実戦復帰し優勝。しかし8月に「右肩甲下筋肉腱断裂」の重傷を負い、11月に手術を行った。現在はリハビリ中で「まだ筋肉に刺激を与える段階。自分が(得意技の)背負い投げをするイメージは今は湧いてこない」と、復帰へは険しい道のり。
経過が順調なら3~4カ月で本格的な練習を再開。5~6カ月で実戦復帰は可能で8月末の全日本実業個人選手権が当面の目標になる。ただ「そこがダメなら、来年というのは考えられない」と、出場できる状態でなければ現役続行を断念する覚悟だ。
同社の木村皓一社長からは「リオと言わず(20年五輪の)東京を目指して欲しい」とハッパをかけられた。野村は「いつまでも待ってくれる会社なので」と支援には感謝しきりだが、16年のリオ五輪では41歳。故障に加え、年齢的な限界は自身が一番分かっている。
「右肩が戻ればもう1度挑戦したい思いはあるけど自分を冷静に見つめ探っていきたい。リオ(五輪)を目指してとか、明確な目標は言えないけど精いっぱい頑張る」。柔道史に名を刻んだ男は悲壮な覚悟で語った。