帝京大 今年も強かった前人未到5連覇
「ラグビー大学選手権・決勝、帝京大41‐34早大」(12日、国立)
帝京大が前人未到の5連覇を達成した。開始直後に早大にノーホイッスルトライを決められたが、パワフルなFWが強烈なプレッシャーをかけて試合の主導権をつかんだ。後半には24点差までリードを広げながら早大の執念の追い上げにあったものの、何とか踏ん張って41‐34で勝利。金字塔を打ち立てた大学王者は、打倒トップリーグを掲げて早大、慶大、筑波大とともに日本選手権(2月16日開幕)に臨む。
真紅の軍団が聖地・国立競技場でエンジン全開となって暴れまくった。開始直後に早大のノーホイッスルトライを食らい、後半18分からは10分間で3トライされて執念の反撃を浴びた。それでも、王者の牙城は揺るがない。FWがパワーで圧倒し、BKがスピードで突き抜ける。チャンピオンにふさわしい強さを発揮した帝京大が、シーズン無敗での5連覇を成し遂げた。
早大陣営がキーポイントに挙げたセットプレーで優位に立った。スクラムで相手の反則を誘いチャンスをつくると、ラインアウトを起点に押し込んで前半12分にロック小滝、23分にプロップ深村がトライを奪い完全に主導権を奪った。岩出雅之監督も「勝因はFWの頑張り」と、常にプレッシャーをかけ続けた動きを絶賛した。
関東大学対抗戦A、大学選手権でも大量得点のゲームが続いたが、「目の前のことに集中させる難しさを感じた」と指揮官。連覇が続き、勝って当たり前という状況で油断やスキが生まれても不思議ではない。それでも、トップリーグへの挑戦という新たなテーマを掲げ、チームとしてさらに高みを目指す方向性を示した。
V5達成の要因を問われ、「精神的な成長と根気強くやってきた練習のたまもの」と岩出監督。CTB中村亮土主将(4年)も、「1年間積み上げたものが結果となってうれしい」と喜びをかみしめた。さらに新たな歴史をつくるため、トップリーグの高い壁に挑む。