20歳・佳純、3大会ぶり日本一に涙
「卓球全日本選手権」(18日、東京体育館)
女子シングルス決勝は世界選手権団体戦(4月28日~5月5日・国立代々木競技場など)代表の石川佳純(20)=全農=が、森さくら(17)=大阪・昇陽高=を4‐0で下し、3大会ぶり2度目の日本一に輝いた。3連覇を目指した福原愛(25)=ANA=は準決勝で森にストレートで敗れた。男子ダブルスは森薗政崇、三部航平(青森山田高)組が初優勝。日本卓球協会によると、この種目を高校生ペアが制したのは1950年度の松山博夫、山田清治(愛知・名古屋電気高=現愛工大名電高)以来で史上2組目。
石川は右拳を力いっぱい握り、激しく上下に振った。3年ぶり2度目の優勝。東京体育館の天井を見上げると目頭が熱くなった。一息つき、タオルで涙を拭った。「すごくうれしい。今までで一番くらい」。泣き笑いで日本一の味を表現した。
雪辱を期した。2年連続決勝で福原に敗退。決勝の舞台は「いつも福原さんが素晴らしいプレーをしていたので、自分も素晴らしいプレーをしようと思った」。今回は石川の美技に観客は嘆息し、賛辞の拍手を送った。
石川は3年前の自身の姿を思い出し、「あの時よりも強い気持ちで臨む」と言い聞かせていた。高3だった初優勝は「やったぁーって感じ」だったが、20歳になり「自分の弱いところに向き合えた」と、少女から大人へと成長した。