卓球水谷6度目日本一!執念でV奪回
「卓球全日本選手権」(19日、東京体育館)
男子シングルスは24歳の水谷隼(DIOジャパン)が決勝で、初優勝を狙った町飛鳥(明大)を4‐1で下して3大会ぶり6度目の優勝を果たし、世界選手権団体戦(4月28日~5月5日・国立代々木競技場など)代表に決まった。同種目で6度の日本一は8度の斎藤清に次ぎ、長谷川信彦と並ぶ歴代2位。女子ダブルスは平野早矢香(ミキハウス)と石川佳純(全農)のペアが決勝で中川博子、土田美佳組(中国電力)に3‐0で勝って5大会ぶり2度目の頂点に立ち、石川はシングルスとの2冠を達成した。
最後は町の返球がネットにかかると、水谷の表情が一気に和らいだ。「周りからは優勝しか喜んでもらえなくなった。絶対に優勝したかった」。日本一を奪回し、何度もガッツポーズを見せた。
風邪のような症状が出て万全な体調ではなかった。5歳年下の相手に対して驚異的な反射神経で粘り強く返し、ミスを誘った。勝負どころでは昨年から参戦したロシア・リーグで磨いた、球の回転量が多いバックドライブで打ち抜いた。
5連覇後、2大会連続で準優勝。「(昨年結婚した)妻に負ける姿を見せるわけにはいかない」と呪縛を打ち破った。
東京で行われる世界選手権団体戦の代表入りも決めた。「地元開催では現役でできる最後の大会になると思う。最高のプレーをファンの皆さんに見せたい」と意気込んだ。