赤羽ママ「やり切った」涙の有終2位
「大阪国際女子マラソン」(26日、長居陸上競技場発着)
引退レースに臨んだ“ママさんランナー”赤羽有紀子(34)=ホクレン=が2時間26分0秒で日本勢最高の2位に入った。ロンドン五輪5位のタチアナ・ガメラシュミルコ(30)=ウクライナ=が2時間24分37秒で2連覇。一般参加で初マラソンの前田彩里(22)=仏教大=が2時間26分46秒の4位と健闘。ロンドン五輪代表の重友梨佐(26)=天満屋=は64位と振るわなかった。
最愛の伴侶への思いを問われると赤羽は涙があふれた。「たくさんぶつかったこともあったけど、五輪にも行き、世界選手権でも5位。本当に幸せ。今までありがとう」。目を潤ませ、夫であり専属コーチの周平さん(34)へ感謝を伝えた。
完全燃焼の2位を捧げた。給水ボトルには昨年8月、家族でディズニーランドとディズニーシーに行った際の写真を貼った。30キロでは娘・優苗ちゃん(7)の応援に勇気づけられた。
序盤から先頭に食らい付いた。35キロ過ぎからガメラシュミルコと一騎打ち。何度も前に出て勝利への執念を見せた。「やり切った。今までは『あと何キロある』だったけど『もう何キロしかない』との思いで走った」。悔いなしの表情で42・195キロを振り返った。
ゴール後に娘からは「おめでとう」と言われた。「これからは私が娘に何度も『おめでとう』と言ってあげたい。今したいことは、娘と一緒に朝ごはんを食べること」。日本陸上界に新境地を開いたママさんランナーは、念願の“普通のママ”に戻る。