愛子に夫からエール“愛”の力で表彰台

 2月7日開幕のソチ五輪に臨む日本選手団の本隊が31日、成田空港発の航空機で出発した。5大会連続の五輪で悲願のメダル獲得がかかるフリースタイルスキー女子モーグルの上村愛子(34)=北野建設=は、アルペンスキー男子で5大会連続の代表入りを逃した夫の皆川賢太郎(36)=ドーム=からのエールを胸に、決戦の地へ。また、右ひざじん帯損傷を抱える伊藤みき(26)=北野建設=は順調な回復ぶりを強調した。

 上村の表情は穏やかだった。前回バンクーバーに続く、“夫婦五輪”はならなかった。同じ舞台を目指してきた者同士として、夫の悔しさは痛いほど分かる。それでも、今は自らのやるべきことに集中するしかない。

 「(皆川からは)『自分の理想の滑りができた時はきっと楽しいから。頑張って!!』と。結果は後からついてくるもの。全力でやって、メダルが取れたらいい」。最愛の人からのエールを胸に刻み、“5度目の正直”となる悲願のメダル獲得を誓った。

 厳しい戦いになるのは、百も承知だ。バンクーバー大会は、五輪2年前にW杯で総合優勝し、前年には世界選手権を制し、最高潮の状態で臨んだものの、4位だった。今季はW杯全5戦で表彰台はない。日本の中でも、近年では伊藤の方が結果を残している。

 ただ、エースの地位から解放されたことで、自然体で臨めることに手応えを感じている。「今までと違って、チームメートが頼もしくて、1人でやっている雰囲気がない。みんなで一緒に頑張る雰囲気がある。私一人だけが頑張らなくていい」と笑みも浮かんだ。

 初出場で7位入賞を果たした98年長野五輪から、五輪は6‐5‐4位。一つずつ階段を上がっているものの、本命視されながら4位に終わったバンクーバーでは「どうして一段一段なんだろう?」と涙を流した。

 夫は代表入りを逃した後、引退を示唆した。自らも現役生活の最後が近いことは感じている。モーグルの女子決勝は日本時間2月9日。「ここからならエンジンをかけても早すぎることはない。全力でいく」。競技人生のすべてをかけて、最後の“階段”を駆け上がる。

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