羽生“切り込み隊長”団体男子SP登場
ソチ五輪開会式前日の6日に競技が始まるフィギュアスケート団体の男子ショートプログラム(SP)、ペアの出場選手が発表され、日本は男子SPに羽生結弦(19)=ANA=の起用が決まった。世界王者のパトリック・チャン(カナダ)、地元ロシアの英雄エフゲニー・プルシェンコ(ロシア)ら強豪も出場するが、新世代のエースが、メダルへ重要な“切り込み隊長”役を担う。ペアには高橋成美、木原龍一組(木下クラブ)が出場する。
今大会から新採用のフィギュアスケート団体戦。歴史に名を刻むメダル奪取への“切り込み隊長”役を、若きエースが担う。6日の男子SPでの起用が決定した羽生は、試合会場での初練習となったこの日も4回転ジャンプを決めるなど、好調をアピール。「自分自身の感覚はいい。僕は日本代表で1番若い。佳菜子(村上)より若いんで。元気のいい滑りを見せたい」と、力強く意気込んだ。
団体戦SPは個人戦での金メダル争いの“前哨戦”の様相だ。カナダは世界選手権3連覇中の“絶対王者”チャン、地元ロシアは“皇帝”プルシェンコが出場する。各有名ブックメーカーが1~3番人気のオッズを付ける3人がいきなり顔をそろえた。SP世界記録(99・84点)を持つ絶対的自信のあるプログラムで、ライバルに“先制パンチ”を与える。
この日の練習では、憧れの選手に挙げるプルシェンコと同組で練習した。子供の頃は同じ髪形にしたほど、敬愛する“皇帝”と互いに4回転ジャンプを決めあい、火花を散らした。プルシェンコ自身も引退後に羽生のコーチ就任を希望するなど、相思相愛の“心の師弟”が初めての対決を迎える。
「10代の最後で迎える五輪。全力でやってこけてもいい。次の五輪の時に後悔しないように、五輪を知らないからこそできることをやりたい」。団体戦のメダル、そして個人での日本男子史上初の金メダルへ。新たな時代を切り開く若武者の挑戦が、ついに始まる。