渡部暁2位!五輪後初戦で存在感
「ノルディックスキーW杯複合・個人第14戦」(28日、ラハティ)
五輪個人ノーマルヒル銀メダルの渡部暁斗(25)=北野建設=がソチ五輪後初の試合で2位に入り、2戦連続で今季6度目の表彰台に立った。前半飛躍(ヒルサイズ130メートル、K点116メートル)で首位と34秒差の6位につけ、後半距離(10キロ)も積極的に先頭を追って2位集団をリードし、終盤に抜け出した。渡部善斗(早大)は23位、渡部剛弘(明大)は27位だった。飛躍の4位から距離で逆転したヨハネス・ルゼック(ドイツ)が3季ぶりの通算2勝目を挙げた。
ソチで喜びと悔しさを味わったエースの渡部暁が、戦いの場を再びW杯に戻して早速、結果を出した。「次はW杯で1勝を挙げたい」と話した2季ぶりの優勝にこそ届かなかったが、後半距離では常に集団を引っ張り続けて2位をつかんだ。「守りに入る必要はない。ねじ伏せた」と充実の表情だった。
2・5キロを4周する距離はトップと34秒差の6番目にスタート。「疲れて表彰台に乗れなくてもいい」と、ぐいぐい前を追った。先頭を追い続けて抜かれなかったのは「多分初めて」と言うほどの快走だった。
五輪では個人ノーマルヒルで銀メダルを獲得したものの、個人ラージヒルは6位、団体は5位と納得のいく勝負ができなかった。大会後に「悔しい気持ちが大きく、逆にやる気が出てきた」と、すぐに気持ちを切り替えて臨んでいた。
強気なレースをやり遂げ「やっていることは間違っていない。一歩先に進めた」と話した。今季は残り3戦。総合優勝はフレンツェルにさらわれたが、さらなる成長を期して終盤戦を戦う覚悟だ。