葛西3位!レジェンド50回目の表彰台
「ノルディックスキーW杯ジャンプ男子・個人第25戦」(7日、トロンヘイム)
ソチ冬季五輪でメダル2個を獲得した葛西紀明(41)=土屋ホーム=が135・5メートル、132メートルの合計261・4点で今季6度目、通算50度目の表彰台となる3位に入った。個人総合4位の葛西は、首位のカミル・ストッホ(ポーランド)との差が残り3戦で逆転不可能な333点(優勝100点)となり、日本男子初の総合優勝は消えた。
不安定な風に個人総合のトップ3は失速したが、葛西は持ち味の脚力を生かした。表彰台で受け取った花束を観客席に投げ入れ「(自分に)いい条件であれば表彰台にいける確信はあった。またできてうれしい」と満面の笑みだった。
右膝の痛みを抑えるため、この日も試技後に痛み止めの薬を飲んだ。1回目は「試合になると体が全力で勝手に動く」と力強く踏み切って135・5メートルまで伸ばした。2回目も緩い追い風ながら132メートルをマークした。
第2戦以降、出場した19試合連続のトップ10入り。今季ここまで安定した成績を出している選手は他にいない。五輪前からの好調を維持し「失敗する感覚が全くない」と自信に満ちている。
日本男子初の個人総合優勝の可能性は消え「今季が、一番チャンスがありそうだったけど、膝のけがもあるし仕方がない」と残念がった。それでもベテランの意欲に衰える気配はない。「金メダルと合わせて今後の目標。それがなくなったらやる気もなくなるでしょ」とまだ戦い続ける。