遠藤、白鵬に子供扱い…試練3連敗
「大相撲春場所3日目」(11日、ボディメーカーコロシアム)
春場所5連覇と29度目優勝を狙う横綱白鵬(29)=宮城野=が、ホープ遠藤(23)=追手風=を土俵にたたきつけて3連勝。
何もできなかった。遠藤は支度部屋に戻ると、いつものように黙って呼吸を整えた。「横綱と対戦できても勝てないと…。どうこう言っても負けは負け」です。白鵬に子供扱いされた悔しさを胸に刻みつけた。
仕切りで先に手をつき、強く前へ出た。だが、平成の大横綱にはまったく通用しなかった。場所前の出稽古で胸を借りた時も11戦全敗。本場所での逆襲を狙ったが、わずかな時間ではどうにもならない力の開きがあった。
3月11日は遠藤にとっても特別な日だった。3年前は都内にある日大相撲部の寮で強い揺れを感じた。テレビで見た悲惨な光景は今も忘れない。「1秒でも長く土俵にいて頑張る姿を見せたい」。被災地への思いを、白星という形で届けることはできなかった。
上位陣と総当たりする試練の場所はいきなり3連敗。4日目は先場所完敗した琴奨菊に再挑戦する。「明日、頑張ります」。気持ちの切り替えは得意中の得意。ホープの春場所はまだこれからだ。