川内 アジア大会金逃したら代表撤退
日本陸連は12日、アジア大会(9月19日開幕、韓国・仁川)の男女マラソン代表4人を発表した。男子は川内優輝(27)=埼玉県庁=と松村康平(27)=三菱重工長崎、女子は木崎良子(28)=ダイハツ=と早川英里(32)=TOTO=を選出。川内は同大会で金メダルを逃した場合、今後の日本代表争いからの撤退を明言し、退路を断った大一番に臨む。
16年リオデジャネイロ五輪ロードを歩む「公務員ランナー」が、第一関門を突破した。川内は、勤務先の春日部高定時制過程の卒業式のため、埼玉県庁を通じてコメントを発表。「日本代表としての責任を感じるとともに身が引き締まる思い」と意気込んだ。
昨年のモスクワ世界選手権で18位と惨敗して以降、アジア大会での金メダルを目標に掲げ、逃した場合、日本代表争いからの撤退を明言してきた。川内の最大の弱点である暑さ。夏に開催される五輪、世界選手権に挑む資格を得るために、自らに課したノルマだ。
「『アジア大会で金メダルを獲れなければ、真夏の(15年)北京世界選手権の日本代表選考レースには出ない』と退路を断ち、覚悟を決めて練習を積んできた」と、あらためてノルマに触れた。日本陸連が4月に発足させるナショナルチーム入りも濃厚で「積極的に知識・情報・刺激を吸収していく」と、課題克服へ意欲をにじませた。
アジア大会優勝者は世界選手権代表に内定。そこで8位に入賞した日本勢最上位は、リオデジャネイロ五輪代表に内定する。「自分自身の考える『日本代表の理想像』を追求していきたい」。16週連続の大会出場に挑んでいる“日本マラソン界の異端児”が、正念場の夏を迎える。