土性、教えてもらったタックルで勝った
「レスリング女子W杯」(16日、小豆沢体育館)
11日に最愛の父栄勝さん(享年61)を亡くした53キロ級の吉田沙保里(31)=ALSOK=がロシアとの決勝に出場し、マリア・グロアに5分33秒でテクニカルフォール勝ち。日本は8階級全員が勝利する完ぺきな内容で、2年ぶり7度目の優勝を決めた。
天国に届けとばかりに、栄勝さんの教え子たちが躍動した。
幼いころから栄勝さんの指導を受けてきた48キロ級の登坂が、圧巻のフォール勝ちでチームを勢いづけると、69キロ級の土性=顔写真=は、階級を落としてきた72キロ級のロンドン五輪女王のボロベワを相手に、残り30秒から魂のタックルで逆転勝ち。「吉田先生に教えてもらったタックルで点を取って勝つことができた。無意識で飛び込みました」と、歓喜に浸った。
吉田の母幸代さんも「本当にみんなが頑張ってくれた。娘以外にもチャンピオンを育てたいと言っていたから」と、喜んだ。
75キロ級で死闘を制した浜口は、勝利の瞬間に左手を天に突き上げた。「天に届けようと思って。背中を押してくれるような気がしました」と、笑顔で話した。