入江、第一人者の意地見せた復活V

 「競泳日本選手権・第2日」(11日、東京辰巳国際水泳場)

 男子100メートル背泳ぎはロンドン五輪銅メダルの入江陵介(24)=イトマン東進=が52秒57で優勝した。萩野公介(19)=東洋大=は男子200メートル自由形を1分45秒89で400メートル個人メドレーに続いて制したが、100メートル背泳ぎは53秒08の2位で史上初の6種目制覇はならなかった。女子50メートル平泳ぎは、ロンドン五輪メダル3個の鈴木聡美(23)=ミキハウス=が31秒30の日本新記録で優勝。自身が11年4月にマークした31秒40を塗り替えた。

 圧巻の記録でゴールすると、左拳を握りしめた。男子100メートル背泳ぎは、昨年萩野に敗れて2位に甘んじた入江が0秒51の大差でリベンジ。第一人者の意地を見せ「久しぶりにいいレースができた」と、すがすがしい笑顔を見せた。

 萩野に劣っていたバサロキックで粘った。スタート後の浮き上がりで頭一つ分の差で食らいつき、するすると抜け出して前半で体半分リード。2010年の高速水着禁止後では自己最速だったロンドン五輪の52秒97を大幅に上回った。

 苦しい1年を乗り越えた。昨年は春先から「水泳が楽しくない」とこぼし、世界選手権は100メートル、200メートルとも4位。打ちひしがれた様子で引退も示唆した。9月には椎間板ヘルニアを発症。靴下をはくことすらできず、医師からはターンやドルフィンキックの練習を禁止された。

 自由に泳げない中で芽生えたのは「水泳が好きだな」という思い。そんな前向きな心が表れたような小気味よい泳ぎで健在ぶりを示した後は、「ここがゴールじゃない」と再び世界の頂点を狙う意欲をにじませた。

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