入江が闘将宣言「言うことは言う」
日本水泳連盟は14日、都内で8月のパンパシフィック選手権(豪州、ゴールドコースト)代表22人、9月に開幕するアジア大会(韓国、仁川)代表21人を発表した。萩野公介(19)=東洋大=らを中心に代表の若返りが進む中、日本選手権で背泳ぎ100、200メートル2冠を達成し、復活を印象づけた入江陵介(24)=イトマン東進=が、“闘将”としてチームを引っ張る覚悟を見せた。同代表は6月のジャパンオープン(辰巳)の結果で、さらに追加される。
甘いマスクのすき間から、少しだけ“鬼”の表情がのぞいた。恒例となっている日本選手権翌日の会見。2009年から参加している24歳の入江だが、ついに今年は最年長となった。顔ぶれを見渡しつつ「若いなぁと。初代表の選手もいるし、楽しみ。自分もリーダーとしての自覚を持たないといけない。代表は家族だと思っているけど、ただの仲良し軍団じゃ駄目ですから」と、キッパリと言ってのけた。
北島康介のように、ロンドン五輪まで日本をけん引し続けてきた象徴的な存在がいない。次は自分の番‐、という思いが入江にはある。「言うことは言っていく。自分も言われて良かったと思うことが多いですから」と、表情を引き締めた。そして冗談めかしながら「ゆとり世代ですからね。僕も相当ゆとりと言われたけど。瀬戸が最近、僕をなめ始めている。1回、個人ミーティングしないと」と笑った。
競技面でも引っ張っていける自信がついた。昨年は腰を痛め、不調が続き、引退も考えた。だが、日本選手権では100、200メートルとも萩野を抑え2冠を達成。タイムも自身の持つ日本記録更新を視野に入れられるものだった。「最近は人が(記録を)出しているとこしか見ていなかった。今度は自分がもう一度出したい」。たくましくなった24歳が、トビウオジャパンの中心を担う。