桐生、ノーラン調整で9秒台だ!
「織田記念陸上」(29日、Eスタ)
陸上男子100メートルで日本歴代2位の10秒01を持つ桐生祥秀(18)=東洋大=が28日、昨年、同記録をたたき出した織田記念陸上に向け、会見した。この日は会場練習を行わず、競技場周辺の室内施設で軽めの調整。異例の“ノーラン”調整で、日本人初の9秒台に向け、手応えをにじませた。
衝撃の走りから1年。桐生が思い出の地に帰ってきた。昨年、高校生ながら日本歴代2位の10秒01をマークし、一躍トップスプリンターに名乗りを上げた織田記念に今年も参戦。世界選手権なども経験し、一回りたくましくなった18歳は「去年ああいうタイムが出たし、やる気と自信を持って臨める。ワクワクしてる」と、力強く抱負を口にした。
この日は雨が降ったこともあり、会場練習は行わず、競技場周辺の室内施設で30分程度体を動かしたという。試合前日は競技場トラックの感触を確かめるのが恒例だけに、異例の“ノーラン”調整となったが「今日はレスト(休息日)。体の調子もいいし、本番に合わせたい」と、レースでの爆発を誓った。
エディオンスタジアムは、過去5年で10秒0台が6度(追い風参考も含む)も出ている高速トラック。29日はあいにくの雨予報だが、桐生は昨年、雨の高校総体近畿予選で200メートルの高校新記録を出している。「『ま、いっか』ってさらっと流す感じです。雨なら雨で自分の走りをするだけ」と、まったく気にする様子はなかった。
高校卒業以降、伸ばしてきた髪も、ソフトモヒカン風にして、気合を入れた。「昨年の10秒01は通過点。これから10年、それ以上走り続けていく中の通過点にしたい」。桐生がこの1年間の進化を示した時、日本人悲願の9秒台の夢が現実のものになる。