NBA差別発言…永久追放を大半が支持
米プロバスケットボール、NBAのチームオーナーによる黒人差別発言の余波が収まらない。米メディアは連日、批判的に発言を取り上げ、関係のあった有力公民権運動団体の幹部が辞任に追い込まれた。米国の根強い黒人差別を表面化させた今回の発言。永久追放を迅速に決めたNBAの判断を国民の大半が支持している。
知人女性に「君が黒人とつるむのを言いふらすのは頭にくる」という趣旨の発言をして問題化したロサンゼルス・クリッパーズのオーナー、ドナルド・スターリング氏は不動産業で財を成した。
人種差別をめぐるトラブルを以前から抱え、黒人やヒスパニック(中南米系)への住宅貸し付けを拒み訴訟になったこともある。
発言が判明して間もない4月29日、NBAはスターリング氏に永久追放処分と罰金250万ドル(約2億5500万円)を科した。ニューヨーク・タイムズ紙の世論調査では65%が「適切」と回答した。白人より黒人の方が当然、反応は厳しい。
公民権運動団体、全米黒人地位向上協会(NAACP)のロサンゼルス支部は近く開く100周年祝賀会で、スターリング氏の表彰を予定していた。慈善活動への支援などを評価したが、人権団体などからは妥当性に疑問の声が噴出。今回の発言で取りやめになり、支部長は辞任した。
芸能専門サイトが暴露した今回の発言の中には、黒人が多い自分のチームの選手について「おれが食わせてやっている」という内容もあった。
ニューヨーク・タイムズは社説で「まるで(奴隷を使う)19世紀のプランテーション経営者のようだ」と非難。地元紙ロサンゼルス・タイムズは「チームを別の人に譲るべきだ」と断じている。