バドミントン日本男子 初の世界一
「バドミントン国・地域別対抗戦・男子トマス杯、最終日」(25日、ニューデリー)
決勝が行われ、日本が5度制覇のマレーシアを3‐2で破り、1949年にスタートした伝統の大会で初優勝した。マレーシア、インドネシア、中国に次ぐ史上4チーム目の団体世界一。日本は女子ユーバー杯では過去5度優勝しており、男女合わせて6個目のタイトルとなった。準決勝で6連覇を狙った中国を倒した日本は、初めて進出した決勝では早川賢一と遠藤大由(以上日本ユニシス)のダブルス、桃田賢斗(NTT東日本)と上田拓馬(日本ユニシス)のシングルスが勝った。
トマス杯に初挑戦してから半世紀以上。予選を突破できない時期もあった日本男子は元五輪金メダリストの朴監督の指導で世界と戦える意識が宿り、ついに世界一と変身を遂げた。最後は相手の強打がアウトになり、マレーシアとの約6時間の熱戦を制すと、上田はあおむけになり「うれしすぎて何も覚えていない」。コートに入ってきた仲間らと輪になり、跳びはねて快挙を喜んだ。
準決勝の中国戦で五輪銅メダリストを倒した世界ランク4位の田児が屈したが、総合力でカバーした。ダブルス世界3位の早川、遠藤組が競り勝って流れを変え、19歳の桃田も勝って“王手”。上田は第1ゲームを奪い「優勝を意識した」と第2ゲームを落としたが「みんなが『思い切っていけ』と声を掛けてくれたから」と持ち直して攻めきった。4戦全勝と活躍し「史上初のことができて誇らしい」と言った。
1次リーグから6連勝の快進撃。中国の6連覇を阻止し、5度優勝のマレーシアも破り、2年後のリオデジャネイロ五輪に弾みをつけた。主将の早川は「どこか信じられなかったが、トロフィーを持って、ああ優勝したんだと思えた。中国にも勝つ中でどんどん一つになっていった」と団結力で勝ち取った初優勝に胸を張った。