クビトバ3年ぶり女王「弱さ克服した」
「ウインブルドンテニス・第12日」(5日、ウインブルドン)
女子シングルス決勝で第6シードのペトラ・クビトバ(24)=チェコ=が第13シードのウージニー・ブシャール(20)=カナダ=を下し、3年ぶり2度目の優勝を果たした。第1セットで三つのゲームをブレークして勢いに乗ると、第2セットは1ゲームも落とさず、1時間足らずで圧勝した。優勝賞金は176万ポンド(約3億800万円)。四大大会初の決勝進出だったブシャールは、男女を通じてカナダ勢初の四大大会制覇はならなかった。
182センチの長身から繰り出す高速サーブと巧みなリターンで圧倒した。クビトバは両手打ちのバックハンドで勝負を決めると、ラケットを放り投げ、大の字に倒れ込んだ。「特別な瞬間だった」と感極まった。数々の名選手を輩出した伝統国の大型サウスポーが、テニスの聖地で再び歴史に名を刻んだ。
過去2年は8強止まり。スポーツ心理学者をチームに加え「敗北から学び、自己改革して精神的な弱さを克服した」と内面の成長も強さを支えた。東欧出身の選手は近年、施設が充実した米国に拠点を置く例が多いが、生まれ育ったチェコのクラブで練習に励む。男子のトップ選手、ベルディハらも所属し「仲間と刺激に満ちた環境が成長を支える」と強調した。