桐生10秒34で銅!日本勢初メダル
「陸上・世界ジュニア選手権」(23日、米オレゴン州ユージン)
男子100メートル決勝で、日本歴代2位の10秒01の記録を持つ桐生祥秀(18)=東洋大=が10秒34(向かい風0・6メートル)で3位に入り、同種目の日本勢で初となる銅メダルを獲得した。障害種目を除いた男子短距離でのメダル獲得は10年の200メートルで優勝した飯塚翔太(現ミズノ)以来3人目。日本時間24日は2020年東京五輪開幕まで6年で、主力となる年代の選手を相手に存在感を示した。
6年後の夢舞台へ、確かな一歩を刻んだ。好スタートを切った桐生は果敢な走りを見せて、60メートルまで先頭に立った。最後は優勝したウィリアムズ、9秒97の世界ジュニア記録を持つブロメルにかわされたものの、この種目で日本勢初のメダルをもぎ取った。
「優勝を狙っていた。うれしさもあり、悔しさもあり、という感じ。最後は両脚がつった」
6月の日本選手権後に右足裏痛を発症。スパイクを履いて練習できるようになったのは、大会の1~2週間前と、決して万全ではなかった。土江寛裕コーチは「出場できるか微妙だった」と明かすほどだった。
大会中も準決勝で股関節を痛め、決勝では両足がつった。そんな中でも予選、準決勝、決勝とタイムを上げ、史上最年少の18歳で9秒台をマークしたブロメルとも競り合った。日本人初の9秒台はならなかったものの、「いつかは出る。9秒台は通過点にしたい」と口にした。
東京五輪で金メダルを争う同世代との戦いはこれからも続く。「あと6年しかないが、6年もある。階段を踏み上がっていきたい」と桐生。日本のワンダーボーイは、まだまだ歴史を塗り替えていく。