錦織、貫録勝ちで6年ぶり16強進出
「全米OPテニス」(30日、ニューヨーク)
男子シングルス3回戦で第10シードの錦織圭(24)=日清食品=が第23シードのレオナルド・マイエル(アルゼンチン)をストレートで下し、18歳で初出場した2008年大会以来6年ぶりの16強入りを決めた。錦織は同種目の日本勢としては1922年大会8強の清水善造以来92年ぶりの準々決勝進出を目指し、4回戦で第5シードのミロシュ・ラオニッチ(カナダ)に挑む。
格下のマイエルをストレートで退ける貫禄勝ちだった。「(右足親指のけがからの復帰で)1試合ごとに自信を積み重ねている。当たり前のように、ここにいるのは気持ちがいい」と錦織。無我夢中だった6年前から着実に力をつけ、第10シードの立場を守った喜びをかみしめた。
サーブやリターンの組み立ての巧みさで試合を支配した。唯一のピンチだった第3セットでは1‐3の第5ゲームで2本のパッシングショットでブレークに成功し、流れを取り戻した。「危機を感じてから集中して3セットで終わらせたのは、進歩している証拠だと思う」とうなずいた。
6年前には世界ランキング126位。3回戦で当時4位のフェレール(スペイン)を倒し「満足して、次の試合は上の空だった」と思い出す。今は「(16強でも)まだまだ先は長いという感じ。ハングリーになっている」と先を見据えた。
1922年の清水善造以来の8強入りが懸かる4回戦では、ウィンブルドン選手権4回戦で屈したラオニッチが立ちはだかる。最速230キロのサーブを持つ強敵の攻略法を「リターンで少ないチャンスを生かせるかが鍵」と断言した。