錦織が準V凱旋帰国 金で「恩返し」
テニスの全米オープン男子シングルスで準優勝し、四大大会シングルスで日本選手初の快挙を成し遂げた錦織圭(24)=日清食品=が13日、拠点を置く米国から成田空港着の航空機で帰国した。錦織は千葉県成田市内のホテルで記者会見に臨み、四大大会制覇と2020年東京五輪での「恩返し」のメダル獲得への思いを口にした。時の人の“凱旋帰国”に、会見場にはテレビカメラ18台、報道陣約135人が詰め掛けた。
日本中に夢と感動を与え、スポーツ界に新しい歴史の1ページを刻んだ錦織の凱旋会見とあって注目度は抜群。1局につき3台までの制限が設けられたにも関わらず、テレビカメラは18台、報道陣135人が集まった。
右足親指の負傷による欠場からの復帰戦。しかし、目を見張る快進撃でファイナルまで勝ち進んだ。「手術したばかりで心もレディ(準備)の状況ではなかったのに、グランドスラムの決勝に行けた。自分のしたことのすごさを改めて認識している。来年、再来年にまたあの舞台に戻れるように頑張りたい」と、四大大会制覇への強い思いを語った。
決勝でチリッチ(クロアチア)にストレート負けを喫した悔しさは残るものの、得たものの大きさに手応えもつかんでいる。特に長時間のゲームを何度もこなしながら決勝を含む7試合を戦い抜いたことで、体力面で世界と互角にやれることを確信。「7試合やるというのは自分では夢の出来事だった。体を絞ったことが(好結果に)つながったと思う。自分自身でも驚いている」と話した。
2020年東京五輪への思いを聞かれると「あと6年あるので全くわからないけど、自分としては一番脂が乗っているいい時期だと思う。メダルが取れればうれしいし、日本に恩返しができれば」と力を込めた。
29日開幕の楽天ジャパンオープン(東京・有明テニスの森公園)を含め、今シーズンは残り5試合。「しっかり結果を残したい。できればもう1勝したい」と目標を設定。つかの間の日本滞在でリフレッシュ、再び世界ナンバーワンを目指す戦いへ突入する。