17歳・渡部、大会新記録で金メダル
「アジア大会・水泳」(22日、仁川)
決勝が行われ、女子200メートル平泳ぎで17歳の渡部香生子(JSS立石)が2分21秒82の大会新で優勝した。金藤理絵(Jaked)は0秒10差で銀メダル。100メートル自由形で内田美希(東洋大)が銅メダルを手にした。男子は200メートル個人メドレーで萩野公介(20)=東洋大=が自身の日本記録に0秒01と迫る1分55秒34の大会新記録で制し、藤森太将(ミキハウス)が2位で続いた。萩野は小堀、瀬戸、松田と組んだ800メートルリレーも7分6秒74で勝ち、今大会3冠となった。
8月のパンパシフィック選手権の女子200メートル平泳ぎで頂点に立った渡部が、アジア女王の座も射止めた。成長著しい17歳が、国際大会で好結果を残せる頼もしい存在になった。
大会新記録での優勝にも「金(メダル)を取れたことはうれしいが、日本記録を狙って泳いだので満足はできない」と、目標に1秒10届かなかったレースを落ち着いた口調で振り返った。
ロンドン五輪に出場したころは体つきがきゃしゃだったこともあり、水の抵抗を減らすことに注力していた。レース分析を担当する日本水連の岩原文彦競泳委員は「以前はそんなに加速しないけど減速しない泳ぎだった。今は加速もしっかりできるようになっている」と語る。
筋力トレーニングに週2回取り組み、腕のかきでしっかり進む泳ぎに変わった。「Tシャツが(肩回りで)ぴちぴちになっちゃった」とたくましくなってスピードも上がり、得意の200メートルより先に100メートルで6月に日本記録を出した。
決勝は序盤から快調に泳ぎ、予選トップ通過のベテラン金藤を退けた。それでも「先行逃げ切りを考えていたが、前半に行き過ぎてしまった」と終盤に息切れした点を反省するなど、向上心は尽きなかった。