2時間2分台!驚異のマラソン世界新
「ベルリン・マラソン」(28日・ベルリン)
男子はデニス・キメット(30)=ケニア=が2時間2分57秒の世界新で優勝した。昨年の大会でウィルソン・キプサング(ケニア)が出した従来の記録を26秒短縮し、初の2時間2分台突入となった。昨年のシカゴを2時間3分45秒で制したキメットは、終始先頭集団で快調に走り、38キロすぎからスパートして快挙を成し遂げた。優勝賞金や世界記録ボーナスなどで、計12万ユーロ(約1660万円)を獲得した。女子の福士加代子(32)=ワコール=は2時間26分25秒で6位に終わった。
軽快な足取りのまま両手を上げてゴールに飛び込んだ。キメットが初の2時間2分台に突入する世界新。「全力を尽くし、世界記録を出す自信もあった。残り5キロでいけると思った」と胸を張った。
レースが動いたのはペースメーカーが離れた30キロから。3人の集団となり、そこから世界記録更新ペースに戻った。35キロ手前でE・ムタイとの一騎打ちに。「負けたくないと思った。35キロからエネルギーが出てきた」。38キロすぎにスパートをかけて突き放した。
昨年のシカゴで2時間3分45秒の好記録を出した。「そのときと同じくらい好調。シカゴは勝負、今回はタイムを狙っていた」と語る。世界歴代10傑の7位までを生み出した屈指の高速コースで、見事に有言実行した。
男子マラソン界はベルリン、東京など高額賞金大会による「ワールド・マラソン・メジャーズ」の創設で高速化に一層の拍車がかかっている。1時間台の記録も現実味を帯び始めた。キメットは「自分がもう一度更新して、2時間を切りたい。可能だと思う」と力強く宣言した。