勢い止まらん!錦織が今季3勝目挙げる
「テニス・マレーシアオープン」(28日、クアラルンプール)
シングルス決勝は第1シードの世界ランキング8位、錦織圭(24)=日清食品=が第4シードで同28位のジュリアン・ベネトー(フランス)をストレートで破り優勝した。準優勝した全米オープン後の最初のツアー大会で今季3勝目、通算6勝目を手にし、優勝賞金は16万5千ドル(約1800万円)。
全米オープン準優勝で日本のテニス史を塗り替えた錦織の勢いは止まらなかった。世界28位のベネトーとの決勝。サービスを相手が返しきれず今季3勝目を決めると、右の拳を握り締めた。トロフィーを誇らしげに掲げ「プレッシャーの中での優勝は価値がある」と充実感に浸った。
ポイントは第1セット。ハードコートを得意とするベネトーに先にブレークを許し、追いかける展開を強いられた。ブレークバックの好機を続けて迎えたものの、要所でミスが出た。「相手のプレーがよく、負けるかと思った」と言うが、集中を切らさず第10ゲームでようやく成功。タイブレークの末、このセットをものにした。
「自分の流れになった」という第2セットはストロークが安定し、本来の攻撃的な戦いを発揮した。フルスイングのリターンエースで、世界8位の実力を見せつけた。絶妙なドロップショットでも沸かせ、押し切った。
全米後、注目は一段と高まった。次戦は日本のファンを前に戦う楽天ジャパン・オープン。「硬くなる不安はちょっとあるが、雰囲気に負けずにしっかりやりたい」と連続優勝を狙う。