日本金ならず…愛金星も中国の壁に屈す

 「アジア大会・卓球」(30日、水原体育館) 

 女子団体決勝で、日本は中国に1‐3で逆転負けし、1966年バンコク大会以来48年ぶりの優勝はならなかった。第1試合で福原愛(25)=ANA=が世界ランク2位で、ロンドン五輪銀メダリストの丁寧を破る金星を挙げたが、エースの石川佳純(21)=全農=が2敗。3番手に抜てきされた中学生の平野美宇(14)=JOCエリートアカデミー=も敗れた。12年ロンドン五輪、14年世界選手権に続き、“中国の壁”が立ちはだかった。中国は大会3連覇を達成した。

 “サーッ!”の雄叫びとともに福原の放つ気迫が、相手を、そして会場全体をのみ込んでいった。過去5戦全敗の丁寧を、強烈なバック、フォアハンドで圧倒。第1、2ゲームを連取すると、第3ゲームから突如崩れ、第4ゲーム0‐7まで16連続失点を喫したが、心は冷静だった。「何をしないといけないか、しっかり考えることができていた」。

 ここからが圧巻。怒とうの巻き返しでジュースに持ち込むと、14‐13で迎えた3度目のマッチポイント。相手のサーブに対し、バックハンドで逆を突き、両腕でガッツポーズ。これまで難航不落だった中国に、風穴をあけた瞬間だった。

 石川、平野で3連敗し逆転負けしたが、日本の第一人者として、変わらぬ存在感を見せつけた。今年5月の世界選手権は左足小指骨折で欠場。ロンドン五輪に続き、銀メダルを獲得した仲間たちの光景を100%喜べない自分がいた。「『福原は必要ない』って言われると思った」。

 卓球人生は20年を超え、あの愛ちゃんもベテランと位置付けられる立場になった。次世代の台頭に恐怖も感じている。しかし、だからこそ「復帰した時は前の自分を超えたい」と思った。日本代表復帰戦で、その言葉通りの進化を証明した。

 これまではるか遠くにあった頂点への手応えも感じた。「ロンドン五輪は銀メダルでうれしかったけど今回はすごく悔しい。中国に近づけていると思うし、進歩している」。視線の先は2年後のリオデジャネイロ五輪。もう銀メダルはいらない。

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