錦織シングルス快勝!凱旋Vへ死角なし
「テニス・楽天ジャパン・オープン」(1日、有明テニスの森公園)
シングルス1回戦で世界ランク7位の第4シード、錦織圭(日清食品)が、同61位のイワン・ドディグ(クロアチア)を6‐3、6‐4で下し、2年ぶりの優勝へ好発進した。2日の2回戦では同57位のドナルド・ヤング(米国)と対戦する。2回戦では世界103位の伊藤竜馬(北日本物産)が同62位のベンヤミン・ベッカー(ドイツ)に3‐6、3‐6で敗れた。
雨天のため屋根が閉じられ、ボールの音、ステップの音、そして満席に近い1万観衆の歓声が会場に響きわたる。そんな中、錦織のプレーは自信に満ちあふれていた。相手がどれだけ粘ろうと左右に振って追い詰めていく。重圧がかかる初戦でストレート勝ち。わずか1時間24分で振り切った。
ドディグは世界ランク61位だが、昨年は29位まで上がっており、昨年のバーゼルの大会では錦織に勝っている。強烈なサーブと堅実なストロークであきらめずにボールを追いかける泥くさいプレーが持ち味だ。しかし、ストローク戦で、今の錦織にはかなう選手はほとんどいない。
「彼はディフェンスがとてもうまく、すべてを返してくるが、今日はここぞという場面で取れた。ストロークの安定感が増して攻め切ることができた」と錦織は満足げだ。
屋根が閉められると反響音が大きくなり、サーブが強いドディグが有利になる。しかし、錦織は「多少そういうことも考えたが、自分のサーブもよくなってきたので、閉められた状態も悪くなかった」と受け流した。
2日の相手はヤング(米国)。「全豪で対戦したことがあるが、タフなレフティー。最近攻撃的になってネットに出てくる」。2年ぶりの母国でのタイトル獲得と、自身初の2週連続優勝へ、死角は見当たらない。