連戦お疲れの錦織…初戦敗退でVならず
「テニス・マスターズ上海大会」(8日、上海)
シングルスで世界ランク6位の第7シード、錦織圭(24)=日清食品=が初戦の2回戦で同60位のジャック・ソック(米国)にストレートで敗れる波乱があった。ツアー大会に2週連続優勝して臨んだ錦織は、痛めていた右臀部(でんぶ)の影響で体に切れがなく、タイブレークにもつれた第1セットを落とした。第2セット途中には治療を受けたが本来の動きは戻らず、試合を通じて一度もブレークポイントを握れずに姿を消した。
2週連続ツアー優勝を果たした楽天ジャパン・オープンで見せたみなぎる覇気は、錦織から発せられなかった。右臀部(でんぶ)と背中の痛みで試合開始から動きが重く、1時間25分のストレート負け。「きょうは自分のベストのプレーができなかった。全然動けなくて、全神経を腰に使っているような状況だった」と、連戦の疲労で体が限界だったことを明かした。
それでも、第1セットはサービスゲームをキープし、タイブレークでの少ない好機にかけた。しかし、本来の鋭いリターンで重圧をかけられず、セットポイントを握られるとフォアの強打を止めきれなかった。
第2セット途中には右臀部と腰のマッサージを受けたが、焼け石に水だった。第10ゲームの最初のマッチポイントでは、あっさりとフォアをアウト。マレーシアから続いたアジアの大会での連勝は10試合目で止まり「(前の大会での決勝から)2日あったので何とかなるかという希望もあったけど、無理でしたね」と、さばさばとした表情で受け止めた。
年間成績の上位8人が進むATPツアー・ファイナル(11月・ロンドン)まで、あと2大会に挑む。錦織は「3大会ある可能性がある。しっかり休んで体を治したい」と、仕切り直しを強調した。