川内、遭難で悟り…ハーフマラソン圧勝
2014年10月20日
吹っ切れたような笑顔の理由は衝撃的だった。日本代表の重圧に押しつぶされ、「死ぬんじゃないか?」と、追い詰められていたアジア大会直前の練習。山道に迷い、遭難の危機に陥った。
「7~8時間さまよった。水も食料もなくなって、崖に落ちそうになったり、熊に襲われる恐怖もあった」。最後は木に打ち付けられていたピンクのリボンを頼りに、何とか林道へと出た。「そこで悟ったんです。こうやって、まともに整備された道を走れるのは、何て幸せなんだと…」。“日の丸”の重圧からも解き放たれた男は今、心から走ることを楽しんでいる。
アジア大会後には、職場に『アホ公務員。2度と走るな!!』という内容の、心ない手紙も届いたという。これまでは真摯(しんし)に受け止めていたが、今は「代表も外れたし、そんなことを言われる筋合いもない。ほかの代表に言ってくれ」と、受け流す余裕もできた。
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