錦織 最終セット制し8強入り

 「男子テニス・マスターズパリ大会」(30日、パリ)

 3回戦が行われ、年間成績などの上位8人によるATPツアー・ファイナル(ロンドン)初出場を目指す第6シードの錦織圭(24)=日清食品=は、第10シードのジョーウィルフリード・ツォンガ(29)=フランス=を下し、ベスト8入りを果たした。10月31日(日本時間1日)の準々決勝では第4シードのダビド・フェレール(32)=スペイン=と対戦する。

 会場が地元ツォンガの大声援に包まれる完全アウェーの中、錦織は絶対の自信を持つ最終セットで勝機を逃さなかった。5-4で迎えた第10ゲームをブレークして8強入りを決め、「我慢したからこそ最後にチャンスが来た」と誇らしげに振り返った。

 第1セットは「理想的なテニス」とベースラインの内側に入り、積極的な仕掛けで6-1と圧倒。過去3勝1敗で元世界5位の実力者が手も足も出ない展開だった。だが第2セットは一転して「相手のバックに集めすぎ、パターンを読まれた」と守勢に回り高速サーブにも苦しめられた。

 それでも最終セットの勝率はこの1年で約9割と勝負強さを誇る。ショットを左右に散らし、ブレークチャンスを逃しても「気持ちを一定に保った」と冷静だった。

 最終ゲームは相手が2度のダブルフォールトを犯すミスにつけ込み「危ない場面でしのげたのが鍵だった」と勝因を分析した。

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