エディー日本“大金星”残り3分スルリ
「ラグビー・国際親善試合、日本18-20マオリ・オールブラックス」(8日、秩父宮)
日本代表が残り3分で大魚を逸した。前半を5-15とリードされたが、後半に入るとFW戦でマオリ・オールブラックスを圧倒して主導権をつかみ18-15と逆転。しかし、後半37分にラインアウトでのクイックスローから痛恨のトライを決められ、18-20の2点差で惜敗した。日本代表は9日から欧州遠征に出発、15日にルーマニア代表、23日にグルジア代表とテストマッチを行う。
ほぼつかみかけた白星が、試合終了直前にスルリとこぼれ落ちた。後半37分、マオリ・オールブラックスは左サイドでのラインアウトをクイック・ロングスローでリスタート。瞬く間に右に展開して、追いすがる日本代表の選手たちを振り切った。
土壇場で試合を引っくり返されたトライシーン。「クイックに気付くのが遅かった」とWTB山田が悔やめば、「勝てた試合だった。あのプレーは予想できなかった」とCTB松島は無念の表情。エディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ(HC)も、「きょう、我々はラグビーに愛されていなかった」と嘆息まじりにコメントした。
前半31分までに0-15とリードされながら、スクラムで圧倒してFW戦で優位に立った。後半32分にFB五郎丸のPGでついに18-15と逆転。歴史的快挙は目前まで迫っていた。勝利こそ逃したが、プロップ稲垣、ナンバー8マフィら新戦力の活躍は大きな収穫。「選手たちのパフォーマンスは素晴らしかった」と指揮官も内容には手応えをつかんだ。
来年9月のW杯まで歩みを止めるわけにはいかない。「我々は山を登っている途中だ。いい方向に向かっていると思う」とエディーHC。この惜敗の悔しさをバネにして、さらに進化を続けていく。