19歳・岩出3位 東京五輪の新星誕生
「横浜国際女子マラソン」(16日、山下公園前発着)
初マラソンの19歳、岩出玲亜(れいあ)=ノーリツ=が、10代の日本女子最高記録となる2時間27分21秒で3位に入った。前身の東京国際女子から通算36回目で幕を下ろした大会で、低迷する日本女子マラソン界にニューヒロインが誕生した。田中智美(26)=第一生命=が2時間26分57秒で初優勝し、世界選手権代表入りへ前進した。
日本女子マラソンの礎を築いた大会の締めくくりに、ニューヒロインが現れた。初マラソンの19歳、岩出が積極果敢な走りで3位に入り、10代の日本女子最高記録を樹立。「楽しかった。長かったけど、思ったより頑張れた」と、あどけない笑顔を咲かせた。
現在、マラソンは実業団に入り、トラック、駅伝を経て挑むのが一般的。愛知・豊川高を卒業して2年目だが、10代でのマラソン挑戦に踏み切ったのは「早いうちに何かを成し遂げたい」と思ったからだ。
周囲の見方は“20年東京五輪の星”。ただ、漠然と6年後を目標にすることには違和感があった。7月、同じく10代でマラソンに挑戦した84年ロサンゼルス五輪代表の増田明美さんに相談した。
「みんな6年先っていうけど、そんなに待たなきゃ駄目ですか?」。増田さんには「女の集中力は、そんなに続かない。ゴールから逆算するんじゃなく、目の前のことをやっていった方が未来はついてくる」と助言された。近年では異例の若さでの42・195キロに、未来への一歩を刻んだ。
「まだ(2時間)27分台だけど、走ってみて、もっと記録は出ると思ったし、世界が近くなった」と岩出。視線の先には2年後のリオデジャネイロ五輪がある。低迷が続く日本女子マラソン界に、希望の光をともす新星が現れた。