関学大“ONE”でつかんだ5年ぶりV

 「関西大学ラグビー、関学大33-13京産大」(30日、宝が池)

 関西大学ラグビーは30日、関学大が京産大を下し、7戦全勝で5年ぶり10度目の優勝を決めた。主将のフランカー鈴木将大(4年)がダメ押しトライを奪って逃げ切った。

 主将・鈴木は胸を張った。全員がひとつになれるようにと“ONE”をスローガンに掲げた1年。先制こそ許したが、ロック原田(4年)のトライで逆転すると、前半25分にモールから主将自らダメ押しトライ。5年ぶりの栄冠を告げる笛を聞くと、目を赤くし、皆が両手を突き上げた。

 5年前も関西を制したが、全国では惨敗。当時コーチだった野中監督は、大型FWで押し切る形からBKでもトライが取れるラグビーへと変革を図った。すぐに結果は出なかったが、鈴木主将も「そのラグビーを完成させる」と取り組みを続けてきた。この日は5トライ中、BK陣から3トライ。指揮官は「新たな伝統をつくってくれると思う」と目を細めた。

 一昨年に就任した元日本代表主将のマコーミック・コーチの力添えもあった。オンとオフの切り替えを徹底。「みんなすごく真面目で素直。でもラグビーは楽しくなきゃいけないから、オフに彼女とデートするのも大事」とコーチは笑う。ベンチ外の選手も高いモチベーションで戦えたのは、部員全員と個人面談を行うコーチのサポートもあったからだ。

 スタンドで応援する選手も号泣する姿はまさに“ONE”だった。全員でつかんだ全勝優勝。関西王者の称号とともに全国の舞台へ挑む。

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