羽生逆襲誓う「悔しくて眠れなかった」

 フィギュアスケートのGPシリーズ第3戦・中国杯(11月)での激突負傷が癒えないまま、強行出場したNHK杯で4位となり、GPファイナル(12月12日開幕、バルセロナ)進出を決めた羽生結弦(19)=ANA=が11月30日、一夜明け取材に応じ、男子では史上3人目、日本初となる連覇が懸かるファイナルでの逆襲を誓った。今大会で垣間見えた“トラウマ”を克服することを明言。自らを挑戦者と位置付け、GPシリーズ上位6人で争う頂上決戦に挑む。

 悪夢にうなされた夜を過ごし、羽生の瞳はギラついていた。負傷の影響が完全にぬぐえないまま強行出場したNHK杯は、SP、フリーとも4回転ジャンプで転倒するなど、GPでは3年ぶりに表彰台を逃し、悔しさだけが残った。「悔しくて眠れなかったし、夢の中でうなされていた。こんなボロ負けは小学生の時以来かな」

 中国杯の“トラウマ”に苦しめられた。演技前の6分間練習では周囲を気にしすぎている羽生の姿があった。「周りを見なきゃというのが、潜在意識にあった。集中しきれてなかった」という。

 特に痛感させられたのが激突した時と同じ軌道に入った時だ。「本当はジャッジの方を見てから跳ぶのに、ずっとバックサイドを見ていた」。ファイナルまではわずか2週間たらず。“心の傷”を克服することは容易ではないが、「それは間違いなく改善される」と言い切った。

 得点にしてわずか0・15点差。ぎりぎりの6人目でつかんだファイナル切符を無駄にはしない。「僕はギリギリのチャレンジャー。思い切って1番上を狙いたい」。GP2戦を振り返り「マイナスとマイナス。かけ算してプラスになるようにしたい」と話した羽生。思い描く“逆襲の方程式”を完成させ、真の姿を取り戻す。

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