吉田もV!亡き父に「いい報告できる」
「レスリング・全日本選手権」(23日、代々木第二体育館)
今年3月に父栄勝さん(享年61)を亡くした女子53キロ級の吉田沙保里(32)=ALSOK=が圧勝で55キロ級を含め2年連続12度目の優勝を飾った。
今年も吉田は強かった。決勝では今年の世界選手権55キロ級女王で、昨年苦戦した浜田千穂(日体大)をわずか53秒でフォール勝ち。「世界女王同士で注目されていたし、たまたまフォールに持ち込めてよかった」。必殺のタックルだけでなく、「最近はまっている」というがぶり返しでもポイントを奪うなど、衰えどころか進化も見せつけ、個人戦の連勝を192に伸ばした。
今年3月に最愛の父栄勝さんを亡くした。それでも世界選手権、アジア大会と勝ち続け、最後の試合も圧勝で締めくくった。「父が天国から見守ってくれていた1年。マットのそばで背中を押してくれる感じがしたし、そういう部分でも力が出た。最高の1年。いい報告ができると思う」と、天を見上げた。