逆転の報徳 全員ラグビーで初戦突破
「全国高校ラグビー・1回戦、報徳学園36-14日川」(28日、花園)
1回戦11試合が行われ、前回ベスト8の報徳学園(兵庫)は高校日本代表候補のロック井上遼(3年)が3トライを奪う活躍などで、日川(山梨)に36-14で逆転勝ちした。3大会連続の初戦突破で、花園通算40勝に王手をかけた。1回戦屈指の好カードは石見智翠館(島根)が7トライを挙げ、仙台育英(宮城)に49-17で大勝した。
怪物はいないが、報徳学園が全員の力で花園1勝をつかみ取った。前半終了間際に井上のトライなどで追い付き「最高の形」(井上)で折り返すと、後半に4トライを重ねて逆転勝ち。3大会連続で初戦を突破した。
16大会ぶりに8強に進出した昨年度は、高校生ながら日本代表合宿に招集されたCTB梶村(現明大)という逸材が存在した。だが、井上は「今年は180度違うチーム。スター選手がいない分、全員で走り回る泥くさいラグビーがマッチしている」と明かす。
苦しいことを自ら選んで行う「タフ・チョイス」のスローガンの下、チームは一つになった。1年から3年まで50人近くのFW陣で食べ放題の焼き肉に出掛けるなどチームの絆は強い。西條裕朗監督(51)も「今年はより一つにまとまっている」と目を細めた。
2回戦を勝ち抜けば、春の全国選抜大会で苦杯をなめたAシードの国学院栃木との対戦が濃厚だ。花園通算40勝に王手をかけた古豪は、全員ラグビーでさらなる高みを目指す。