樋口新葉3位 真央以来、中2で表彰台

 「フィギュアスケート全日本選手権・最終日」(28日、長野ビッグハット)

 女子フリーが行われ、13歳の樋口新葉(わかば)=東京・日本橋女学館中=が、ショートプログラム(SP)と合わせて合計181・82点で3位に入り、04年大会の浅田真央以来となる中学2年生での表彰台となった。SP2位の宮原知子(16)=関大高=がフリーで1位となり、195・60点で逆転優勝。SP1位の本郷理華(18)=愛知みずほ大瑞穂高=は2位。SP9位の村上佳菜子(20)=中京大=は5位に終わった。

 13歳の少女にとって、何もかもが初めてだった。日本のトップを争う重圧は想像以上だったが、初出場で3位に食い込んだ。

 冒頭の3回転ルッツがシングルに。その後は「跳ばないとどうしようもない」と意を決し、立て直す強さも見せたが、持ち味のスピードは息を潜めた。

 フィニッシュと同時にふらつくと、キスアンドクライに向かいながら、思わず両手で顔を覆った。「今持っている力を全部出し切れなかったのがすごく悔しい」。味わったことのない、極度の緊張だった。点数を聞いて少しだけ笑顔が戻ったが、足に力が入らず、立ち上がることができなかった。

 小1で初めて出場した試合では、失敗続きで撃沈した。静かに母の前を通り過ぎると、会場の隅でひとり目を赤くした。決して弱音は吐かない。去年はフラワーガールとして花を集めた憧れの舞台で、完璧な演技を見せたかった。

 中学2年での表彰台は、04年大会で2位に入った浅田真央以来の快挙。「成長できた1年でした。課題は、気持ちのコントロールと体力です」。世界選手権は年齢制限(15歳以上)で出場権がないため、次の目標は3月にエストニアで行われる世界ジュニア選手権。日本フィギュア界に新たな葉が芽吹いた。

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