女子高生剣士・宮脇花綸 東京五輪主役だ

 2020年東京夏季五輪まで、あと5年。デイリースポーツでは、夢舞台で主役に躍り出そうなイチ押しの高校生アスリートを取り上げる。フェンシング女子フルーレでは、14年南京ユース五輪銀メダリストの宮脇花綸(かりん、17)=慶応女子高。期待の10代アスリートが、夢の祭典で主役になる。

 強い意志を持つ凜(りん)とした瞳は、剣のように真っすぐに夢舞台を見据えている。

 「リオ五輪に出て、そして東京五輪でメダルを獲りたいと思ってます」

 宮脇花綸、17歳。ボーイッシュで、愛らしい笑顔が魅力の“女子高生剣士”は言い切る。

 2014年は大ブレークの年となった。4月の世界ジュニア選手権で銅メダルを獲得すると、14~18歳の“東京五輪世代”がそろった8月のユース五輪で銀メダルを手にした。アジアのトップ選手がそろった9月の仁川アジア大会でも8強入り。日本フェンシング協会常務理事も務める父・信介さんは「毎年、飛躍的に強くなっている」と、成長力に舌を巻く。

 原動力は頭脳だ。5歳で始めたフェンシング。小、中学校と名門の東洋英和女学院に通っていたが、「フェンシングを続けていく中で、大学受験を避けたかった」と、高校受験を決意。偏差値73、日本トップクラスの難関といわれる慶応女子高に合格した。

理系科目得意

 得意科目は化学や物理、数学。攻撃権がめまぐるしく入れ替わり、戦術を瞬時に組み立てる能力が重要なフルーレ競技に生かされている。

 「スピードや腕の長さがあるわけじゃないけど、試合の流れを読み取る力はあると思う。相手の攻撃をうまく利用したり、裏をかいたりして勝負するのが自分の戦い」と、自らのスタイルを冷静に分析した。

 “東京五輪の星”として、テレビ出演や取材を受ける機会も増えた。日本協会が企画したキャラクターグッズにも、北京五輪男子フルーレ銀メダリストの太田雄貴らと並んでグッズ化された。

 本人はフェンシング界を担う自覚は十分で、「重圧は感じない。フェンシングの魅力を発信できる選手になりたい」と言ってのける。思い描く未来予想図を実現するために、宮脇は剣を振るう。

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