王者に挑む御所実、タックルで悲願Vや
「全国高校ラグビー・決勝、御所実-東福岡」(7日、花園)
悲願を果たす時が来た。雨のため室内調整となった御所実は6日、約1時間汗を流した。3度目の決勝。過去2度は涙をのんだが、7人制ユース日本代表WTB竹山暉(3年)に気負いは一切ない。「楽しみで楽しみでしょうがない」。今大会通算10トライの逸材はさわやかに笑った。
相手は3冠を狙う東福岡。昨年5月のワールドユース、同8月の7人制でいずれも敗れた。竹山暉は「1対1のタックルにこだわってきた。1年間やってきたことを出して、御所のプライドを表現したい」と、磨き上げてきたディフェンスで絶対王者の壁に挑む。
大阪の強豪校への進学を予定していた3年前、竹山暉の自宅を竹田監督が訪れた。「僕の夢を一緒に現実にしてほしい」と口説かれ御所実入学を決意した。「花園で先生を胴上げして『ありがとう』と言いたい」。自らの決断が正しかったことを聖地で証明する。
準決勝で2トライを挙げた主将のSH吉川(3年)は「世間の人は東福岡が勝つと思っている。それを覆すのが楽しみ」と不敵に笑った。高校生活最後の一戦。一昨年の忘れ物を、今度こそつかみ取る。