東福岡V5へ SO松尾「出し切る」
「全国高校ラグビー・決勝、御所実-東福岡」(7日、花園)
3年ぶり5度目の優勝を目指すAシードの東福岡(福岡)は6日、東大阪市内で約1時間、調整した。SO松尾将太郎(3年)は「優勝して、藤田先生(監督)を胴上げする」と力を込めた。3度目の決勝進出となったBシードの御所実(奈良)は大阪府摂津市内で最終調整。“王者”東福岡から金星奪取で悲願の花園初制覇を狙う。
名門の重圧とともに歩みを続けてきた日々に、最高の形で終止符を打つ。1年から出場を重ねてきたSO松尾は「3年間、東福岡の10番を背負わせてくれた。先輩の分まで、出し切りたい」。170センチの司令塔が、最後のタクトをふるう。
雪辱の一戦だ。松尾は中学3年のとき、全国ジュニア大会で、福岡選抜として奈良選抜と対戦。くしくも舞台は決勝だった。終了間際、現・御所実のエースWTB竹山暉に逆転トライを奪われ、頂点をつかみ損ねた。当時の監督からも「忘れ物をしっかりと取り返してきてくれ」と激励を受けた。「竹山君がキープレーヤーであることは間違いないけど、自分たちのラグビーをするだけ」。3年ぶりの王座取りへ、自然と力がこもった。
その悔し涙を流したのは、東福岡が4度目の優勝を果たした3年前のこと。「憧れのグリーンジャージーを着て、日本一になることを目標に努力してきた」。“緑”を身にまとい、司令塔として戦ってきたこれまでは、いずれも辛酸をなめた。3度目の正直だ。「悔しい思いはある。優勝して、藤田先生を胴上げしたい」
最高の恩返しへ、舞台は整った。7年間で4度の優勝を誇る絶対王者が、5度目の頂点をつかみ、春の選抜大会、夏の7人制と合わせた史上初の“3冠”を成し遂げる。