錦織サーブ覚醒 今季初シングルス快勝
「テニス・ブリスベン国際」(7日、ブリスベン)
男子シングルスで、第2シードの錦織圭(25)=日清食品=は初戦となる2回戦でスティーブ・ジョンソン(米国)に6-4、7-5で勝ち、8強入りした。今季最初のシングルスの試合に臨んだ世界ランキング5位の錦織は、サーブがさえて同37位の相手に快勝した。アレクサンドル・ドルゴポロフ(ウクライナ)とペアを組んだ男子ダブルス準々決勝でもストレート勝ちし、準決勝へ進んだ。
勝ってもさほど変えない表情に、世界トップ5の風格が漂う。昨年飛躍を遂げた錦織は進化した姿でコートに帰ってきた。サーブを武器にスコア以上の実力差を示す快勝。「サーブが一番進歩しているのを感じた。以前とは少し違った感覚」と、新たな収穫をつかむ上々のスタートとなった。
昨年11月15日以来のシングルス公式戦に「はじめは緊張があった」という。ハードコートの中でも球足が速いと感じる今回の会場で、強力なサーブを繰り出すジョンソンに対してリターンはなかなか定まらなかった。
簡単にリードを奪えない中、オフに握りを変えて改良したサーブが威力を発揮した。時速200キロ近くを打ち込んだかと思えば、緩くても際どいコースを突くボールで翻弄(ほんろう)した。サービスエース7本という数字以上に効果を示し「思い切り打てるようになった」と手応えを口にした。
第1、2セットともに、唯一ブレークポイントを握ったゲームを制する勝負強さ。さらにスライスを多用する変則的な相手に「苦手意識もなくなった」という言葉も今の実力を証明する。
四大大会初制覇が期待される全豪オープンに向けては準備段階で「プレーは100パーセントとはまだ言えないが、試合を勝つことに意味がある」。実戦感覚が研ぎ澄まされていく今後が楽しみだ。