成田緑夢 夏冬五輪パラすべてに出場だ
あの兄妹の弟が、壮大な夢に挑む。トリノ五輪スノーボード代表の成田童夢、今井メロの弟で、複数競技に挑戦している20歳の成田緑夢(ぐりむ)=夢くらぶ=が7日、夏、冬の五輪、パラリンピックすべてに出場することを目標に掲げた。13年4月に練習中に負傷し、左足ひざ下麻痺(まひ)の障害を負ったが、不屈の闘志で復活。この日は20年東京五輪で競技入りを目指す水上スキー競技、ウエークボードの会見に出席しアピールした。
あの童夢、メロ兄姉の弟は、やはりただ者ではなさそうだ。ウエークボードの会見に出席した緑夢は、明るく、力強く宣言した。「夏冬の五輪、そしてパラリンピック。祭典を制覇したいです」
13年4月にトランポリンの練習中に左足を負傷。医師からは「最悪、左足切断。歩けるようになる確率は20%」と言われた大ケガだった。最悪の事態は免れたがひざ下麻痺が残り、障害等級6に認定された。あと一歩に迫っていたスキーハーフパイプでのソチ五輪出場は幻に終わった。
ただ、それでも不屈の闘志で復活し、新たな目標を見つけた。それが“祭典制覇”だ。冬季五輪種目のスキーハーフパイプは、すでに競技に復帰。今冬もW杯遠征に参加する。夏のパラリンピックに向けては、ヨット競技の練習を開始しているという。冬のパラリンピックはスキー、スノーボードクロスに照準。夏の五輪はこの日会見に出席したウエークボードや射撃での出場を目指すという。
「『1つだけ極める』という日本の文化を変えたい。僕はヒーローになりたいんです」。かつてない偉業に、緑夢が挑む。