錦織 ラオニッチとの死闘に弱気負け
「ブリスベン国際」(10日、ブリスベン)
男子シングルス準決勝を行い、第2シードで世界ランキング5位の錦織圭(25)=日清食品=は、第3シードで世界ランキング8位のミロシュ・ラオニッチ(24)=カナダ=に7-6、6-7、6-7で競り負け、決勝進出はならなかった。3セットともタイブレークの大激戦も、勝負どころでミスが出た。錦織はアレクサンドル・ドルゴポロフ(ウクライナ)と組むダブルスでは11日の決勝でジェイミー・マリー(英国)ジョン・ピアーズ(オーストラリア)組と対戦する。
自信を深めていた攻撃的なテニスを貫くことができなかった。錦織は昨季勝率9割に近かったフルセットの戦いをものにできず、「(相手の)ミスを待ってしまった。もっとリスクを負って打っていければ」と悔やんだ。
この大会では3年連続の準決勝敗退となり、観客の大歓声をよそに、うつむきながらコートを後にした。
第1セットに重圧をかけたのは錦織だった。コースを突いたサーブが好調で、相手のミスにも助けられ、着実にポイントを重ねた。ラオニッチのこの荒っぽいプレーが、最後まで日本のエースの頭から離れなかった。
第2セットのタイブレークはダブルフォールトで崩れ、第3セットはよくコントロールしたショットこそ効果的だったが、力強い決定打を放つ勇気が持てなかった。最速231キロのサーブが武器のラオニッチに34本のサービスエースを許し「ラリーが少なくて、リズムが生まれにくい。自信が持ちにくかった」と振り返った。
互いにサービスゲームを落とさない展開に「ブレークできず、いらいらがたまった」というが、紙一重の勝負を演じたのは課題のサーブが向上した証拠。今大会は3試合で一つもブレークを許さなかった。「敗戦で学べることもある」との悔しさを糧に、19日に開幕する全豪オープンで四大大会初制覇に挑む。