錦織 勝ってない相手はもういない
「全豪オープンテニス」(27日、メルボルン)
日本勢初の四大大会制覇を目指す錦織圭(25)=日清食品=とスタニスラス・ワウリンカ(29)=スイス=が対戦する男子シングルス準々決勝は28日の第3試合で行われることが決まった。また、27日の準々決勝で第7シードのトマーシュ・ベルディハ(29)=チェコ=が第3シードのラファエル・ナダル(28)=スペイン=を撃破。錦織からすると、過去7戦全敗のナダルの敗退により、今後対戦する可能性のある相手にはすべて1度は勝った経験があることになった。
4回戦のフェレール戦圧勝から一夜明け、この日、練習コートに現れた錦織の表情は穏やかだった。クエバス(ウルグアイ)を相手に約1時間、軽めのラリーをこなした後、室内ジムに移動して調整した。
今大会4試合で2セットしか失っていないが、ここから先は力量も拮抗(きっこう)し、そう簡単に勝てる相手はいない。ワウリンカとは過去3戦して1勝2敗。昨年の全米オープンでは4時間15分の死闘を演じている。
ただし、展開的には“追い風”も吹く。この日、対戦成績が7戦全敗のナダルが準々決勝で敗退した。残る選手で過去に錦織が勝ったことのない選手は一人もいなくなった。
「もう勝てない選手はいない」と常々口にする錦織にとって、今大会は今後、決勝まで進んでも『勝ってない選手はいない』というデータ上の後ろ盾が付く。
4試合を消化して徐々に疲労もたまってきている。マイケル・チャン・コーチは「きょうは休養を入れた」と明かした。それでも、元世界ランク2位のコーチは錦織の進化に太鼓判を押す。午後には、かつての名選手が集う会に出席し、その後に報道陣に対応した。
ワウリンカ戦に向けて「タフな試合になるだろうが、ケイの準備はできている。あしたは大きな結果を出すだろう。楽しみだ」と自信たっぷりに話した。まずは錦織が、全豪の日本男子では83年ぶりとなる4強入りを果たす。