大会史上初!女子団体追い抜きで「金」
「スピードスケート・世界距離別選手権」(14日、ヘーレンフェイン)
女子団体追い抜きで菊池彩花(富士急)高木美帆(日体大)高木菜那(日本電産サンキョー)の日本が3分1秒53で優勝し、女子では大会史上初の金メダルに輝いた。オランダが0秒02差の2位だった。2レースの合計タイムで争われた女子500メートルは小平奈緒(相沢病院)が1回目4位、2回目3位の合計1分15秒89で3位に入り、自身初の表彰台に立った。
最終組で地元オランダが失速し、日本より0秒02遅れた。どよめく観客の中で、好記録を出して後続の結果を待っていた日本の3人が跳び上がる。最年長の27歳、菊池は「君が代を聴いて鳥肌が立った」。幸運もあっての番狂わせとはいえ、策を尽くしてもぎ取った堂々の世界一だ。
工夫とチームワークがものをいうこの種目の醍醐味(だいごみ)を見せた。好調な20歳、高木美が6周のうち計3周も先頭で引っ張る戦略に出た。大きな負担に耐え、快走で期待に応えると、個人種目で不調だった2歳違いの姉の高木菜、菊池も踏ん張った。1年前の五輪より約1秒速い3分1秒5台でゴールした。
減速につながる先頭交代は通常4、5回。この日は3回に抑える斬新なパターンだった。担当した糸川コーチは「現状では最高のパフォーマンス。これまでのデータや統計も生きた」と胸を張った。