錦織、自身初の3連覇「最高の試合」
「テニス・メンフィス・オープン・決勝」(15日、メンフィス)
シングルス決勝で世界ランキング5位の第1シード、錦織圭(25)=日清食品=が世界15位の第2シード、ケビン・アンダーソン(28)=南アフリカ=を6-4、6-4で破って今季初優勝し、前身の全米室内選手権から自身初めてとなる同一ツアー大会3連覇を達成した。錦織のツアー大会制覇は昨秋の楽天ジャパン・オープン以来で通算8勝目。優勝賞金10万6565ドル(約1270万円)を獲得した。
本来の躍動感が戻った。錦織が決勝で目覚めた。準決勝までの3試合は第1セットを落としていたが、序盤から集中力を高め、2セットとも先にブレークして快勝した。
ツアー自身初の同一大会3連覇を果たすとともに、大会史上初の3年連続制覇を達成。「決勝は最高の試合ができた。頭の中のもやもやが少しは晴れた」と復調へのきっかけとなる、今季初優勝に笑みがこぼれた。
リターンでの前傾姿勢からの動きだしに鋭さが出た。第1セット、4-4の第9ゲームはフォアのリターンエースで奪取した。身長203センチのアンダーソンのサーブを攻略し「構える位置を変えたりして反応できた」と胸を張った。
第2セット、2-2の第5ゲームは世界屈指のバックハンドで前に出た相手を抜いてブレーク。「ここから自信を持ってサーブもストロークも打てた」
「もやもや」の原因の一つに世界5位の重圧がある。これには「プレーが良くなれば自信も出てくる」と正面から向き合う。ブルース発祥の地、メンフィスにちなんだギター形の優勝トロフィーを手に、演奏のポーズを決め、「今年も去年と同じように素晴らしい一年にしたい」と力強く宣言。次は23日に開幕するメキシコ・オープンに出場する予定だ。