錦織、決勝進出 世界ランク4位確定
「テニス・メキシコ・オープン」(27日、アカプルコ)
男子シングルス準決勝で、世界ランク5位で第1シードの錦織圭(25)=日清食品=は、同15位のケビン・アンダーソン(南アフリカ)をフルセットで退け、大会後の世界ランクで4位に浮上することが決まった。現行制度では95年の女子のクルム伊達公子に並ぶ日本最高となる。28日(日本時間3月1日)の決勝では日本勢単独最多となる通算9度目のツアー優勝を懸けて、同9位のダビド・フェレール(スペイン)と対戦。錦織は優勝すれば世界3位に浮上する可能性がある。
2時間を超えたフルセットの戦いの勝負どころで、錦織がアンダーソンに力の差を見せつけた。大会後の世界ランク4位浮上が確定。そして、世界3位の可能性を秘める日本勢単独最多のツアー通算9度目の制覇へ前進し、「新しい優勝トロフィーを手に入れたい」と宣言した。
粘る相手を振り切った。第2セットを奪われ、今大会初めてセットを落とした。それでも、「相手はトップ5の選手じゃないので、いつか流れが来ると思っていた」と、挽回の機会をうかがっていた。
第3セットの第1ゲームをブレークされたものの、直後に第1セットのような集中力を発揮してブレークバック。一気に4ゲームを連取し、相手の勢いを止めた。
世界ランクは、現行制度ではクルム伊達に並ぶ日本勢最高タイの4位に浮上する。もっとも、「本当に申し訳ないけど、どうも思っていない。どうせ上がるし下がるし」と苦笑いするだけだ。
5位から4位への浮上は大きな価値がある。四大大会やツアーの格付けが高いマスターズでは、トップ4のシードは別格。準々決勝まで基本的には格上と当たらず、頂点への道がより開ける。
出場2大会連続優勝がかかる決勝では、過去の対戦で7勝3敗とリードするフェレールの挑戦を受ける。錦織がタイトルをものにし、ラファエル・ナダル(スペイン)がアルゼンチン・オープンで優勝を逃せば、一気に世界3位の座を手にできる。